いつまで理想郷の誘いに憑りつかれているのだろう。
現実はノーとは言わない。
仮に言われても目指してしまうだろう。
全知全能の神よりも己の盲目を信じている。馬鹿みたいに。
実際馬鹿なんだと思う。
理想郷なんて、大事そうに抱えているあれやそれを捨ててしまえば、
食わず嫌いのように拒絶しているあれやそれを受け入れてしまえば、
案外簡単に踏み入れられるものなのかもしれない。
しかし、何も持っちゃいない自分が唯一残している最後の矜持を捨ててしまえば、最早己ではない。
そうして到達した理想郷は、きっと理想郷じゃない。
そんなところをゴールとするぐらいなら、泥沼の中で藻掻き続けたい。
惨めで汚い溺死体で終わっても、もうそれでいい。
0 件のコメント:
コメントを投稿